人工知能・AI・データサイエンスといったブームはまだ続いており、今後もホットかつ重要な分野となりそうです。
これらの分野を学ぶことは社内でのキャリアアップや転職、独立などにおいて非常に役立つことは間違いありません。
しかしながら、いきなりインターネットや本で勉強しようとすると、時間がかかりすぎたり、途中で挫折してしまうことも多いと思います。
ですので、初学者の人にはまずUdemy、CouseraなどのMOOCを使ったオンライン学習をオススメしています。
ただ、こちらも基本的に独りで淡々と勉強しないといけない、質問しづらいという部分があり、途中で挫折する人も多いと思います。
一方で、スクールではメンターなどのバックアップを受けながらAIを学ぶことができるので、短時間でスキルを習得することができ、また挫折する率も低くなります。
そこで今回は、AI・データサイエンスを学ぶのがなぜ良いか?、なぜスクールでが良いのか?、どういった人がスクールに向いているのか?を解説したうえで、AI・データサイエンスを学ぶことができるスクールを紹介したいと思います。
なぜAI・データサイエンスを学ぶのか?
AI・データサイエンスを学ぶことをオススメする理由は、第一に今後もこれらの分野に習熟している人材のニーズが高まるからです。
経済産業省の資料によると、「IT人材の不足は、現状約17万人から2030年には約79万人に拡大すると予測され、今後ますます深刻化」、「AI等を使いこなして第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手となる高度IT人材の育成が急務」とのことで、供給はますます足りない状態になると予測されています。
私が昔、IT業界に就職した際にも、何万人・何十万人という人材が不足すると言われていましたが、実際にそのような状況になっていますので、今の予測も現実になる可能性が高そうです。
2つ目の理由として、今この分野は新しい技術がどんどん出てきているので、学び甲斐があるという点です。
私の場合、データサイエンティストとして働きながら本や論文を読んで勉強していますが、成長分野で新しい技術がどんどん生まれているので、まったく飽きない楽しい分野だと思います。
「勉強したことを業務で試してみよう」ということができたり、「こういった技術で新しいビジネスができないか?」と考えることができたりするのが良いですね。
3つ目は、ビジネス知識との相性が良いという点です。
自分の経験に照らし合わせて思うのですが、データサイエンティストや人工知能をずっとやっている(やってきた)というのもいいと思いますが、データサイエンティスト以外でビジネスを今までやってきてドメイン知識がある人がAI・データサイエンスを学ぶというのは非常に強力です。
私の場合は、システムエンジニアとして軽く働いたあと、金融機関で長く働いてきました。
金融機関では、本部勤務が長く、中でも金融工学やデータサイエンスを使った業務を担当していましたが、金融業務がわかっていて、かつ技術を理解している人材はほとんどいなかったので非常に希少性の高い人材だったと思います(最近は増えてきているかもしれませんが)。
もちろんIT業界で働いてきて、プラスアルファとしてAI分野を学ぶというのも良いでしょう。
そのプラスアルファというのは今後のキャリアにおいて、非常に役に立つと思います。
ですので、今までビジネスの現場や本社で働いてきた人にとって、AI分野を学ぶことは社外の評価はもちろんのこと、自身のスキルを大幅に向上させると思います。
なぜスクールで学ぶのか?
上記のようなメリットがあるにも関わらず、スキルはそう簡単に習得できるものではありません。
プログラミングだけでもハードルが高いのに、データサイエンスやAIとなるとさらに数式を使ったりするので、なかなか独学では難しいという側面もあります。
本を読んで勉強するというのがありますが、初学者にはハードルが高く、時間がかかり挫折する可能性が高いです。
そこで、まずオススメするのはUdemy、CourseraといったMOOCです。
以下の記事でも紹介しているようにMOOCは数千円程度で質の良い講座を受けることができ、非常にコスパのいい勉強方法だと言えます。
一方で、スクールがMOOCよりも優れている点を挙げると以下があります。
- MOOCよりもさらに途中で挫折しにくい。
- 詰まったときやわからない箇所を質問しやすい。
- 修了テストや修了課題などがあり、理解を深め、定着させる仕組みがある。
1つ目は、MOOCも独学に近いので、ある意味孤独で挫折する率は高くなります。
その点、スクールは卒業までの支援がしっかりしており、転職の支援まであったりするので、困ったときも相談に乗ってくれる相手がいます。
2つ目は、質問しやすい仕組みがあるという点です。
困れば直接質問することができます。
私もCouseraの課題で詰まったときに、discussion forumで聞いたりすることはできるのですが、もっと気軽に聞けたらなぁと思うことがしばしばあります。
また、スクールでは同じように受講している受講生もいるので、励ましあったり、わからないところは聞いたりして、問題を解決することも可能です。
3つ目は、これは結構大事だと思いますが、スクールによっては修了のためのテストがあったり、成果物を作成しないといけなかったりします。
これはわかったような気になって終わる、ということがなく、本当に仕事に活かせるレベルまで持っていく上では非常に重要です。
以上より、まとめると以下のような人に向いていると思います。
- 一気に短時間でデータサイエンス・AIを学びたいと考えている人(ただ、MOOCでも可能)
- 本を使った独学やMOOCなどでは挫折しそうな人
- 現場で使えるような知識をしっかりと理解したい人
- データサイエンティストやAIエンジニアとしての転職まで支援してもらいたい人
私自身は10年ぐらい前に社会人で大学院に通いましたが、今ではプログラミング・AI分野ではより実務的なスクールがたくさんあるのでいいですね。
各スクールでカリキュラムも違いますので、はじめから一つに絞るのではなく、無料相談会などで詳細を聞いた上で、ご自身にあったスクールを選んでいただければと思います。
では、見ていきましょう。
おすすめスクール
AIジョブカレ
(AIジョブカレの公式ホームページ)AIジョブカレは、対面、オンライン、動画配信に対応したスクールです(現在はコロナの感染拡大により対面は実施していません)。
やはり対面やオンラインで講座を聞くというのは自分ひとりで頑張るMOOCよりもモチベーションの維持がしやすく、挫折しにくいです。
技術を理解し正しく使うためには、基礎的な数学は必須ですが、こういった基礎的な数学を教えてくれる講座もあります(動画のみです)。
これにより、必要な数学知識をピンポイントで理解することが可能です。
(AIジョブカレの講座一覧)もちろん、今もっとも重要な技術の一つであるディープラーニングの講座もありますので詳細を見てみましょう。
ディープラーニング講座
ディープラーニング講座では、以下のカリキュラムの通り、多層パーセプトロンから始まり、自然言語処理ではRNN、Attention、Transformer、BERTと現在主流の技術を理解するために必要な仕組みを教えてもらうことができます。
他にも、画像認識、生成モデル、強化学習と一通り学ぶことができます。
(講座一覧はこちら)また、一方的に話を聞くだけではなく、宿題を提出し、終了証を受け取るためには修了試験もあります。
宿題・試験というのは非常に重要で、1回聞いただけでは理解したつもりになっているだけのことも多いです。
さぼりがちな人もとにかく修了を目指せば一定の実力をつけることができます。
受講期間はオンラインの場合、1回2時間で毎週もしくは隔週で実施され、費用は153,780円(税込み)です。
動画配信にすればもう少し費用を抑えることが可能です。
専門実践教育訓練給付制度の対象となっているので、一定の要件を満たせば教育訓練経費の50~70%が返金されます。
これは嬉しいですね。政府も後押ししているということです。
またこの講座はJDLA認定プログラムとなっていますので、E資格の受験資格を得ることが可能です。
講師陣も実務で経験豊富ですので、理論的に重要なところだけでなく、実務で押さえておくべきポイントも学ぶことができます。
また、元エンジニアによる転職支援もあるので、実務がわかった上で転職のアドバイスをもらえます。
詳細は公式ホームページをご参照ください。
AIジョブカレPRO
(AIジョブカレPROの公式ホームページ)こちらは、AIの学習がメインではなく、まず転職し、その後無料でディープラーニングの講座が受講できるというユニークなサービスです。
ですので、例えば未経験で転職し、実務を通じて業務を学びながら、夜間は一般的な内容を学ぶことができます。
私の経験では、「実務+スクールで一般論を学ぶ」というのが最強だと考えていますので、こちらはオススメです。
もちろん転職できればOKというわけではなく、しっかり勉強して転職先で戦力になる必要がありますので、相応の努力が必要になってきます。
はじめに選考に受かる必要がありますが、受かれば手厚い支援が用意されているので、本気でAIエンジニアとして働きたい方は、とりあえずカウンセリングを受けてみるというのもいいかもしれませんね。
Aidemy(アイデミー)
(Aidemyの公式ホームページ)現在、アプリ開発講座、データ分析講座、自然言語処理講座、AIマーケティング講座の4講座があります。
自然言語処理講座を見ると、Pythonの入門的な内容から機械学習についてまで解説があり、そこから自然言語処理の特化した内容に入っていくようですので、機械学習の知識がなくても大丈夫なカリキュラムになっています。
Aidemy 自然言語処理講座詳細自然言語処理では、ポジネガといったセンチメント分析や文章生成といった内容を学ぶことができます。
最後に技術ブログを作成しますが、このようなアウトプットは非常に勉強になります。
私もMOOCや本、論文で学んだことは極力このブログでアウトプットするようにしていますが、それで得たものは計り知れません。
中途半端な理解だとうまく書けませんので、何度も何度も文献を読み返し、文章を書きなおす作業を通して、理解が深まります。
いつでもチャットで質問できますし、講師によるレビューもあるのでいいですね。
料金は3か月コースで48万円、6か月で78万円、9か月で98万円となっています。
こちらも「専門実践教育訓練給付金」の対象講座に指定されていますので、受講料の最大70%が返金される可能性があります。
受講後8日以内であれば全額返金も可能ですので、試してみてやっぱり合わないといったことがあれば、その期間であれば辞めることも可能です。
また、無料のオンライン相談会がありますので、興味がある方は相談会に参加すると良いと思います。
AI Academy Bootcamp
AI Academy Bootcampでは、オンラインでマンツーマンの指導を受けることができます。
Pythonプログラミング入門コース、データサイエンティストコース、機械学習エンジニアコースの3つがあります。
そして、3つのコースを同時に受けることができる「AI人材プラン」が6か月で298,000円、「オンラインマンツーマンプラン」では各コースを選ぶことができて、1から2か月で98,000円から148,000円、「オンデマンド動画+チャットサポートプラン」は1から2か月で33,000円から55,000円となっています。
動画配信の形でもチャットでサポートをしてもらえることから、適宜つまづいたときはすぐに解決できますね。
あと、コードレビューもあり、これはMOOCではなかなかできないことです。
まとめ
今回は、機械学習・AIを学べるスクールについて紹介しました。
この分野は今新しい技術がどんどん出てきている状況ですので、勉強でも仕事でも非常に面白い分野ですし、また将来性もあると思います。
本で勉強するのは時間がかかりますし、MOOCなどのeラーニングでは挫折してしまうという方は、一度スクールを受講を検討してみてはいかがでしょうか?
ご紹介したようにスクールもいくつかあり、カリキュラムが違いますので、1つに絞ってしまうのではなく、各社を比較したり、無料相談会なので詳細を聞いた上で、ご自身にあったスクールを選んでいただければと思います。